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help リーダーに追加 RSS エスペラント―異端の言語

<<   作成日時 : 2007/07/01 19:20   >>

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6月20日に岩波新書で、「エスペラント―異端の言語」という本が
発売された。著者は一橋大学の名誉教授で、言語学者の田中克彦さん
である。

http://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin_kkn/kkn0706/sin_k358.html
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/43/6/4310770.html

この方はエスペラントを肯定的に見てくださる学者さんで、この8月
に横浜で行われるエスペラント世界大会の名誉顧問も引き受けてくだ
さっている。

私がこの方を知ったのは、今から20年ほど前のNHKのラジオ番組
だった。エスペラント造語100周年を記念した番組で、エスペラン
トの解説をしておられた。

http://www5b.biglobe.ne.jp/~shu-sato/esp-siryo1.htm

今回の著作は、エスペラントの歴史を、苦難の歴史として振返って
いる。権力者からは危険な言語として、言語学者からは異端の言語
として扱われてきたエスペラントの歴史である。

ヨーロッパの言語を元に作られたエスペラントは、ヨーロッパに
偏っているので、国際語としてふさわしくないという人がいるが、
この本では、そのエスペラントがアジアで大いに受け入れられて
いる事実を述べている。日本では、知識人たちが熱中し、中国では、
国家レベルでエスペラントをバックアップしている。アジアでは
希望の言語として受け入れられている。

世界の言語は3種類に分類されるという。
「屈折語」はヨーロッパの諸言語で、単語が不規則に語形変化する。
「膠着(こうちゃく)語」は、日本語、朝鮮語、モンゴル語などで、
語が複数の部品を組み合わせて作られる。
「孤立語」は中国語、ベトナム語、タイ語などで、
語が完全に独立し、語形変化をすることがない。
昔の言語学では、孤立語が一番原始的で、最高に進化した形が屈折
語と言われていた。
しかし、現在では、世界の各言語は膠着語に向かって変化している
ことがわかっている。膠着語が一番安定した形なのだと言う。

エスペラントの語構造は完全に膠着語である。1つの単語が、語根、
接辞、語尾という部品の組あわせでできている。この構造は、ヨー
ロッパ語人よりも、膠着語や孤立語を使うアジア人の方が親しみや
すいらしい。その証拠にヨーロッパ語人の作ったエスペラントの改
造案(イド、オクシデンタル、インテルリングアなど)はすべて、
ヨーロッパ語人に親しみやすい屈折語的な形へ変えられている。
このような改造案はアジア人には学びにくくなっているのである。
エスペラントは単語の内容についてはヨーロッパ的だが、単語の
構造についてはアジア的なのだ。それが、アジアで大いに受け入れ
られている要因になっている。


ちなみに、以前エスペラントのメーリングリストで、NHKラジオ
英会話上級のテキスト(2007年3月)に載っていたある内容が
話題になった。「世界共通語としてエスペラント、イド、インテル
リングアがあり、中でもインテルリングアは習得が特に容易であり、
平均15日で話し、書くことが可能である」と書かれていたようだ。
自分はこれを読んだとき、絶対エスペラントの方が簡単、インテル
リングアは英語と同じくらい習得に時間がかかるのになと思って、
この文章の意味が良く分からなかった。しかし、今回のこの本で、
なぞが解けた。つまり、ヨーロッパ語人にとっては、インテルリン
グアの方が習得が容易なのだ。たとえば、島の関連語で説明すると、

  英語     エスペラント  日本語
  island    insul/o     島 
  archipelago  insul/ar/o   群島 (ar:集団)
  peninsula   duon/insul/o  半島 (duon:半)

群島や半島にarchipelago, peninsulaを用いているインテルリング
アの方が、ヨーロッパ語人には断然やさしい。自分が知っている
単語がそのままつかえるので、単語を覚えなおす手間がないからだ。
一方、エスペラントのinsularo, duoninsulo は自分になじみのな
い単語なので、いちいち覚えなおさなければならない。エスペラン
トの方がヨーロッパ語人には負担が大きいのである。
逆にアジア人にとっては、island, archipelago, peninsulaを別々
に覚えるよりも、insulo から派生して覚えられるエスペラントの
方が断然負担が少ない。

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エスペラント―異端の言語
 私がエスペランティストになってからたぶん初めて出た新書なので購入してみた。作者は言語学者の田中克彦氏(S-ro TANAKA Kacuhiko)。今まで「Krokodilo」(エスペラントを話さない人)を自称していたはずなんだけど、どうやら自習したらしい。  構成は言語神授説から計画言語の歴史で第1章。第2章は簡単なエスペラント入門、第3章はエスペラントへの批判について。エスペラントの擬似言語群、『1984年』の作者であるジョージ・オーウェル、そしてジョージの叔母ネリーと同棲していてエスペラ... ...続きを見る
OKULO
2007/07/08 20:59

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